中国四川省成都市新安世紀教育安全科技研究院における「OOS協定 日中防災安全技術研修項目検討会」の報告

 2019年5月8日、中国四川省成都市にある創顕科技成都支社で、OOS協定先の新安世紀教育安全科技研究員代表の張国遠氏と大阪大学大学院人間科学研究科渥美公秀教授を中心として、「中日防災安全技術研修項目検討会」が開催されました。

 今年の2月27日、同じ四川省成都市で第1回の「中日防災安全技術研修項目検討会」が開催されました。前回の会議では、主にプログラムの背景、目標、対象者に関する情報がシェアされました。また、中国側の講師陣と日本側の講師陣およびそれぞれの専門分野と講義内容への構想が紹介されました。今回の検討会は、前回話された講義内容をより具体的に深めて、6月に行われる第1回のプログラムの各講義のシラバスを決定するための検討会となりました。

 参加者は、王教授(四川師範大学)、胡教授(成都師範学院・四川省心理学会副理事長)、郭教授(四川省心理学会常務理事)、陳弁護士(新安世紀教育安全科技研究院)、張副院長(新安世紀教育安全科技研究院)張理事長(新安世紀教育安全科技研究院理事長)、鐘博士(新安世紀教育安全科技研究院)、廬研究員(新安世紀教育安全科技研究院)に加えて、渥美公秀教授(大阪大学大学院人間科学研究科)、林亦中(大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程)でした。

 会議は、プログラムの目標を確認するところから始まりました。本プログラムの目標として、防災における日本の学術的実践的な知識と中国国内で地道に取り組まれている防災実践を融合させることで、応用型の防災人材を育成することであることが承認されました。また、防災に関する単なる形式的な「テクニック」を学ぶのではなく、被災された方々に寄り添えるようことが重要であることもメンバー全員で共有しました。

 次に、今回の検討会の重点であるカリキュラムの検討会に入りました。各講義担当の先生から、講義内容の共有が行われました。陳弁護士の講義では、中国の法律における安全管理に関する法律問題を中心として展開します。王教授は、学校における安全事故ハザードを重点として講義を実施します。郭教授は、教育分野における理論的な講義を担当します。胡教授は、心理介入とリスク分析の講義を担当します。日本側の講師陣としましては、人間科学研究科渥美教授とOOS協定先である北いわて未来ラボの神先理事と貳又理事による講義内容が紹介されました。渥美教授は、日本における災害ボランティアの発展と各段階における問題および防災教育の3世代に関する課題を講義します。神先理事と貳又理事の講義では、東日本大震災の被災地野田村発祥の体験型防災ツールが紹介されます。報告の後、それぞれの講義に対して各先生からコメントと意見が交換されました。コメントを参考にし、各先生が5月12日までに最終修正版を提出することになりました。

 最後に、本プログラムの開催日を決定しました。各先生の日程調整を踏まえ、第1回プログラムは、6月17日〜6月23日の開催となります。今後の日本での同プログラムの展開に向けても有意義な議論となりました。

 

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