ダイハツ工業保健センターは、ダイハツ工業社員の健康管理を行う産業保健施設です。これまで、人間科学研究科公認心理師プログラムの心理実践実習における産業領域実習先として、履修生を受け入れて頂いています。また、2018年度より始まった労災疾病臨床研究事業費補助金「治療と職業生活の両立におけるストレスマネジメントに関する研究」(代表:人間科学研究科 平井啓)において、主として復職後のストレスマネジメントのあり方に関する共同研究を開始しています。今回のOOS協定をベースに、心理学を専門に学ぶ学生と教員との交流により、メンタルヘルスに関する新たなアイデアや知見の創出、将来的な産学連携・人材の協同育成、職域におけるメンタルヘルス問題という社会的課題の解決を目指していきます。

一般社団法人タウンスペースWAKWAKは、高槻市富田地域において、「新たな福祉と人権・協働のまちづくり」に取り組んできました。地域支え合い事業、コミュニティスペース事業、障がい者グループホーム整備事業、高齢者のライフサポート事業等を展開しています。

2019年度からタウンスペースWAKWAKが立ち上げた事業「未来にわたり住み続けたい町‐高槻富田地区 富寿栄住宅建替からコミュニティの再生へ」に、パートナー教員を中心とする教員・学生が参画し、「人と人とがつながる社会的包摂の町」の実現をめざします。さらには、これまで蓄積してきた専門知・統合知を高齢者・障がい者問題の改善といった社会課題に適用するための実践の場を創り上げ、そこに参画するスタッフ・学生院生とともに、共創知の創出を目指します。

○ 人間科学研究科研究科長 川端 亮
「本日調印を行います大阪大学オムニサイト協定は、人間科学研究科附属未来共創センターのプロジェクトのひとつです。支えあう社会、共生社会を創造していくための新たな仕組みとして行っているものです。大学において、教育や研究が重要であることは言うまでもありません。しかし、学内で教育・研究しているだけでなく、企業や団体、地方自治体、NPO・NGOなどと共にセミナー、イベント、ボランティア活動を通じて、学術的な大学の知識を社会における活動の場で活用することも、これからの大学が求められている重要な社会的使命だと考えています。本日お集まりのみなさまとともに、人間科学研究科は様々な活動に取り組んでいきたいと思います」

○ ダイハツ工業株式会社保健センターセンター長・統括産業医 三嶋 正芳さま
「近年、産業領域での保健分野の役割は変化しています。従来の健康診断だけではなく、メンタルヘルス不調者への対応、未然防止、長時間労働の是正へのサポートといった新しい課題に対応しなければなりません。例えば、今日の働き方改革のなかで、改革に携わる人材の育成が、産業領域における保健分野に求められています。臨床心理士の国家資格化が決まり、その役割が注目されるなかで、産業領域における心理士の位置づけが変わりました。心理士の活躍に期待していたところ、大阪大学人間科学研究科より依頼があり、実習生を受け入れることになりました。現在は、実習生の受け入れはもちろんのこと、研究においても協力関係を温めています。教育と健康の両方に亘る交流を通して、様々な事情のもとで働きたいと考える社員を支援する方策を科学的に考え、その支援を担う人材を育てていきたいと思います。」

○ OOSパートナー教員 大阪大学人間科学研究科 平井 啓
「昨年、大変な無理を言って、ダイハツ工業保健センターさんには実習生を受け入れていただくようになりました。そうしたなかで、ダイハツ工業保健センターさんが、産業領域のメンタルヘルスに関して先駆的な取り組みをされていることを知りました。こうした知見は、産業領域だけでなく、地域の健康を考えるために幅広く活用できるのではないかと考えています。今回の協定をスタート地点として、産業領域における課題解決のための研究はもちろん、北摂地域におけるメンタルヘルスの向上と、それを担うための人材を育成していきます」

○ 一般社団法人タウンスペースWAKWAK 代表理事 岡本 茂さま
「タウンスペースWAKWAKは、2012年に社団法人として発足しました。なかでも、社会福祉領域での活動を積み重ねてきました。例えば、生活困窮家庭の子どもたちへの学習支援事業や子ども食堂事業に取り組んでいます。こうした活動は、大阪大学人間科学研究科との連携を通じて培われてきたものです。2018年の大阪北部地震の震源は高槻でした。この地震は、生活困窮世帯に大きな影響を与えることになりました。また、老朽化した市営住宅に多大な被害をもたらし、建て替えを行わざるを得なくなりました。私たちは、この市営住宅の立替に携わるにあたって、新しいまちづくり、コミュニティの再生に取り組んでいきたいと思います。その理念は、国連のSDGsの精神と重なるものですし、インクルーシブなまちづくりを目指すための大きなチャレンジであると位置づけています。今回のOOSを通じて、全国に発信できるような新しいコミュニティのあり方、地域で支えあいができるモデルを作っていきます」

○ OOSパートナー教員 大阪大学人間科学研究科 志水 宏吉
「タウンスペースWAKWAKさんは、厳しい状況にある子どもたちを支援する活動を続けてこられてきました。高槻は人間科学研究科におられた池田寛先生が研究されてきた地域でもあります。人間科学研究科では、私だけでなく、大学院生も地域で活動に参加させていただき、様々なことを経験させてもらいました。今回のOOSを新しいご縁とし、インクルーシブなコミュニティづくりを目指していきたいと考えています」

 


人間科学研究科附属「未来共創センター」は、人々が支え合い、共生できる「場」を創出することを目指す様々なプロジェクトに取り組んでいます。その「共創」の仕組みを「大阪大学オムニサイト(OOS)」と名付け、2017年5月に始動させました。これまでの「大阪大学オムニサイト」の連携組織についてはhttps://www.hus.osaka-u.ac.jp/oos/about/をご参照ください。

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