2019年11月1日、大阪大学人間科学研究科にて、共和メディカル株式会社と中銀インテグレーション株式会社と「大阪大学オムニサイト(OOS)」協定の調印式を行いました。

 中銀グループは、1957年に創業、1971年に中高齢者専用マンション「中銀ライフケア」事業をスタート。以来「お客様と共に活気あるコミュニティを創造する」をモットーに約半世紀に渡って自立シニアとともに歩んできた企業です。シニア専用分譲マンション18棟3,240戸その他有料老人ホーム、サービス付高齢者住宅、訪問・通所介護事業所を運営しています。熱海市では、毎年、入居者主体の市民の交流イベントを17年前から実施しており今年度に「日本初となる区分所有型マンション内での分散型サ高住」を実現しています。

 共和メディカル株式会社は、1978年に設立、現在は東大阪本社をはじめ、主に大阪・和歌山エリアで計20拠点(医薬品卸4、薬局11、訪問看護2、ケアプラン1、飲食2)を展開する。「地域に密着し、地域に貢献する」をテーマに、健康を軸とした社会課題解決を目指すソーシャルデザインカンパニーです。地域包括ケアや地域共生社会(多世代及び障害者の交流)の実現を念頭において、かかりつけ薬局事業に加えて、ヘルシーフード事業や、訪問看護、訪問リハビリ、ケアプランなどの在宅事業に携わっています。また、「障害があっても、自分らしく暮らせる街づくり」を目指し、ALSなどの重度の障害があっても働ける(=居場所・役割のある)ように、オリィ研究所と連携したユニークな取り組みも実施しています。

 両者は、大阪大学グローバルビレッジ(https://globalvillage.icho.osaka-u.ac.jp/)において「サービス付き高齢者住宅」の運営に携わる企業です。両社と未来共創センターは、大学と連携した「サ高住」の実現にむけて、議論を重ねてきました。

 

当日の様子

◯ 人間科学研究科研究科長 川端 亮

 「先日グローバルビレッジを見学させていただきました。もう住めるような状況にあります。建物は立派なものとなりました。来年10月にオープンすることになります。しかし、どのような形でこれを運営するかについては、大阪大学にとって大きな課題です。中銀インテグレーション株式会社さま、共和メディカル株式会社さまは、サービス付き高齢者住宅や地域包括ケアに関して、様々な実績を重ねてこられました。グローバルビレッジもそうですが、吹田市、周辺地域のみなさま、高齢者や障害者など様々な方々とともにコミュニティを作っていくこと似関して、モデルケースを共に作っていきたいと考えています。今回の協定を結ぶことで、お互いの活動に役立てていきたいと考えています」

 

◯ 中銀インテグレーション株式会社 代表取締役社長 渡辺 蔵人

 「中銀インテグレーションでは、1971年からシルバー事業を始めています。そのコンセプトは、ご入居いただいたお客様には、明るく、豊かに生きがいある生活を送っていただくことです。

 日本の高齢者がまだ少なかった時代、創業者がアメリカがリタイヤメント・コミュニティを視察しました。みなさんいきいきと生活されていた。活躍の場があった。一方で、日本にはそうした高齢者住宅がありませんでした。高齢者の方々の知識や経験は、日本社会を良くするために必要ですし、お役に立ててほしいと考えました。そのため、シルバー対応のマンションを始めたわけです。

 生きがいある生活をすることはテーマとしては大きく難しい問題です。ご本人様もそうした気持ちにならないといけない。そこで、安全で安心して生活環境を作ること。そして、社会参加、なんらかの集団に所属していただく。なにより、生きがいや活躍の場を作ることを目指しています。大阪大学とパートナーを結ぶことで、新しい場所を作ることを目指したいと考えています。

 このように、私たちはシルバー専門の事業を展開してきました。ですが、多世代交流も必要なことです。グローバルビレッジでは、学生さんを含めて、多様な方々が生活されます。私たちは大阪大学とともに、これまでにない高齢者の活躍できる場、多世代交流できる場を作っていきたいと思います」

 

◯ 共和メディカル株式会社 代表取締役社長 杉浦 万正

 「弊社は11月1日に社名を共和メディカル株式会社変更しました。新しい第一歩を大阪大学とともに歩めたこと、嬉しく捉えております。私たちは、もともとはジェネリック医薬品を取り扱う会社です。戦後、創業者が世の中に必要な事業をはじめようと考え、医薬品に注目しました。薬がない時代に、ジェネリック医薬品を作り、製造・卸売を行ってきました。

 その後、医薬分業の流れにおいては薬局の展開を行い、今日の地域医療が注目されるにいたり、訪問看護であったりケアプラン、食であったり、医療サービスに関わる地域で必要なことを行っていく会社です。

 今回、OOSの協定を結ぶにあたって、私たちは地域医療の専門家であるとともに、厚労省が推し進める、地域包括ケアや多世代共生社会の実現を目指して活動していきたいと思います。いまから20年後、30年後の社会において、現在の医療・介護制度は、今のままでは困難になるといわれています。ですから、現在のうちに活動を展開していくことで、支え合いの社会を作っていきたいと考えています。

 私自身、世界を訪問してきました。そうしたとき、日本は超高齢化社会を迎えるという点で注目されています。ですので、大阪大学とともに、グローバルビレッジにおいて、新しいモデルを作っていきたいと考えています。そのための研究開発や実践を重ねていきたいと思います」

 

◯ 人間科学研究科 稲場圭信

 「本日、両社さまとOOS協定を結べたこと、ありがたいと考えております。現在、グローバルビレッジは箱だけができている状況です。そうしたなか、どのような街づくりをしていくのかを、1年ほど両社と協議してきました。先程お話に上がりましたが、グローバルビレッジは多世代が生活します。そして留学生を含め、国境を超えた街づくりを行っていきます。そうした新しいチャレンジのためには、大学の研究室にいるだけでは考えることはできません。なにより、大学だけでなく、今回のように企業さまの力を借りる必要があります。新しい街づくりに是非ともご協力いただければ幸いです」

 


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