2020年11月8日(日)、大阪大学吹田キャンパスにて災害ボランティアラボ主催、未来共創センター・NPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク(NVNAD)共催、すいすい吹田協力のもと「防災ピクニック」が開催されました。イベントの様子を報告します。

 日本災害救援ボランティアネットワーク(NVNAD)は未来共創センターとOOS協定を結び、未来共創センター内のオープンプロジェクト「災害ボランティアラボ」にも積極的に携わる団体です。日本災害救援ボランティアネットワークは阪神淡路大震災で活動したボランティアを中心に発足し、1999年に特定非営利活動法人格を取得しています。現在に至るまで多くの災害ボランティアを行いながら、地域の防災活動に積極的に携わっています。「防災ピクニック」は楽しみながら防災について学ぶ、をコンセプトとしたイベントです。今回の「防災ピクニック」は、日本災害救援ボランティアネットワーク事務局の寺本弘伸さん、大阪大学人間科学部2年佐々田真尋さんを中心とし、団体と学生の協働のもと実施されました。

 当日はピクニックに最適な秋晴れのもと、スタッフ含め約15名が参加しました。子ども連れのお父さんや中学生・高校生の姿も見られました。参加者は3つのグループに分かれ、グループごとに12のチェックポイントを回ります。チェックポイントには防災に関するクイズが用意されています。「防災の日は何月何日?」「スーパーマーケットで地震が起こった際どのような行動を取ればいい?」。参加者はこれらのクイズについてスマートフォンを用いて答えていきます。意見が合う時もあれば合わない時もあり、なぜそう思うのか、合わないときはどうするのか、と相談しながら答えを決める姿が見られました。

 歩いている中では他愛のない話が起こります。私の班は10代~30代の4名で構成されていました。大阪大学にあまり来たことのない参加者は、大阪大学の敷地面積の広さと緑の多さについて感想を述べました。私も普段行く食堂の屋上にスペースがあることを初めて知りました。大阪大学に所属して5年目に入る私であっても学内について知らないことは多いようです。ある参加者は最近流行っているアニメや、ゲームの話を語り、お勧めの勉強方法を大学生の参加者に尋ねました。他の参加者は、コロナ禍における仕事の現状について他の参加者に聞かせてくれました。こうやって話をしていると、あっという間に1時間半の時間が過ぎてしまいます。

 クイズから帰った後は全員で防災食を食べました。お湯を注いで食べられるアルファ米と常温で食べられるカレーです。食べ終わるとクイズの答え合わせに入りました。司会を務める佐々田さんは答えを発表し、答えとなる理由を分かりやすく説明していきます。さいごに参加者全員が感想を述べイベントは終了しましたが、終了後も参加者同士で話に花が咲いていた様子でした。

 今回は参加者15名という比較的小さなイベントとなりました。寺本さんは今回のイベント企画の際、コロナ禍におけるよりよいイベント開催の方法を模索した、と言います。「新型コロナウイルスの終息には3年、4年ほどかかるかもしれない。けれど災害は待ってくれない。今後は地元の多くの皆さんに参加してもらえる形での防災イベントを開催したい」と、寺本さんは今後のイベントの可能性について私に語ってくれました。

 本イベントの目的は災害時に私たちの取るべき行動・行為を学ぶことでしょう。しかしながら本イベントは、地域住民の方に阪大に足を踏み入れ学生たちと交流する機会を提供します。コロナ禍においてどのようなイベントをどのように開催するか、について私たちはまだまだ模索中ですが、この活動に大学と団体・地域による協働の萌芽を見たように思いました。

 


写真1.身体的距離を取りながら、自己紹介をし合う参加者たち


写真2.阪大内に存在する停電時の電源供給施設。大阪大学学生であっても知らないことは多い

 


(冨安皓行)

 


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