2019年7月1日、大阪大学大学院人間科学研究科北館2階ラーニングコモンズにて、大阪府北部地震1年のつどいを開催しました。本会は、2018年6月18日に発生した大阪府北部地震を機に立ち上がった有志の会「つっぱり棒会議」主催で行いました。つっぱり棒会議には、大阪大学人間科学部・大学院人間科学研究科の学生、院生、教員をはじめ、OOS協定先のNPO法人日本災害救援ボランティアネットワークの職員も参加し、昨年の10月より、月1回ほどの会議を通じて議論を重ねてきました。地震発生から1年という節目に、発災当時お世話になった箕面国際交流センターや地区防災委員、吹田市社会福祉協議会の職員をはじめ、近隣の地域の方々に感謝の意を表するとともに、今後の災害に向けた連携を目指し、他大学の教員や災害ボランティアサークル「すずらん」の学生など、計30名を超える参加者が集まりました。

 はじめに、本会開催の経緯と主旨を説明し、全員で自己紹介を行いました。時間の都合上、氏名と所属の紹介に留まりましたが、多様なバックグラウンドを持つ方々が集まっていることを伺うことができました。

 メインは、2つのテーマについてのディスカッションです。5人ずつのグループに分かれ、「えんたくん」というツールを用いて議論を行いました。えんたくんとは、円形のダンボールと模造紙のことで、机は使わず、参加者の膝の上に乗せて使います。円形のため、角がなく、全員で書き込みやすい他、参加者同士の距離が近くなるため、議論を活性化させる効果があります。今回、何を書き込むかや議論の進め方は各グループにゆだね、20分後、全体で発表を行いました。



 一つ目のテーマには、「外国人の避難」を掲げました。これは大阪府北部地震においても顕著になった課題です。外国人のみならず、観光客や新しく転入してきた人など、その土地になじみのない人々を受け入れるために必要な要素について議論しました。日常のつながりはもちろん、各機関の連携や文化的・社会的配慮が必須であるという意見が出ました。

 二つ目は「南海トラフ地震に向けて」というテーマで、幅広く議論を行いました。助け合うこと、助けを求めること、自分や自分のまわりが助かるための心がけなど、様々な要素が出てきました。また、頻発する日本各地の災害をいかに「じぶんごと化」できるかが重要だという意見もありました。

 最後に、本会のまとめとして、吹田市社会福祉協議会の新宅氏にご挨拶いただきました。日々、地域社会の助け合いに向き合っていらっしゃる視点から、日頃のつながりや備え、各機関の連携の重要性についてお話しいただきました。

 閉会後、場所を移し、参加者間、参加者と主催者間の交流を深めました。参加者からは、継続的に集まる機会を求める声や、「何かあったときに機能するネットワーク」としての期待の声が寄せられました。本会での交流は、今回限りではなく、今後の防災・災害対応にまつわる情報共有、連携の場として生かしていきたいと考えています。参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。

 

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