Student's voice: 佐々田真尋さん

2021/01/21(Fri) - 16:29
 
一歩踏み出せばこんなにいろんな人と繋がれるんだって
思ったのは、自分の中ですごく衝撃でした。

OOS Student’s voice:佐々田真尋さん

 

 未来共創センターにかかわる学生の「声」を取り上げるOOS Student’s voice。今回は人間科学部二回生の佐々田真尋さんを取り上げます。佐々田さんは現在、未来共創センターとOOS協定関係にあるNPO法人日本災害救援ボランティアネットワークにてインターンシップ中です。佐々田さんは11月8日に行われたイベント「防災ピクニック」の運営に大きく携わりました。今回は佐々田さんに防災に興味を持つことになったきっかけ、OOS協定団体との協働によるイベント企画・実施で学んだこと、今後の展望などについて伺いました。

 

防災に興味を持つことになったきっかけは何ですか?

 「弱い立場」に立たされている人の役に立ちたいと思っていたんです。「弱い立場」といってもいろいろありますよね。私はその中でも貧困問題か、グローバルな問題か、災害に関する問題を考えていました。入学してから大学の授業でいくつかフィールドに行かせていただき、フィールドで活動することや将来の自分のライフスタイルを考えていくことを通して、身近なことから関われる防災について取り組みたいと思うようになりました。

 防災に取り組むようになった理由として、大阪北部地震を経験したのは大きかったです。震度5弱くらい揺れたと思います。その日は自転車に乗って家から予備校に行く途中だったんです。その日はたまたま遅刻していたから家の目の前で地震を経験しましたが、もし遅刻していなかったら自転車を漕いでるとき地震に遭っていたと思います。そう考えると怖い、と思いました。

 あと渥美公秀先生(人間科学研究科教授で防災に関するテーマを研究している)の考え方や講義が好きで興味を持ったのも理由です。渥美先生の授業はスッと入ってくる感じがすごくて。普段、身の回りで確かにこういうことが足りていないのだと気づかされた。授業を受けるなかで防災にかかわっていきたいと思いました。

 

防災ピクニックに関わったきっかけと佐々田さんの仕事について教えてください

 現在、日本災害救援ボランティアネットワークでインターンをしており、団体からお話を頂いたことで「防災ピクニック」に関わることになりました。

 インターンを始めたきっかけは新型コロナウイルスの影響も大きいです。学校が新型コロナウイルスの影響でなくなり、アルバイトの日もあるけれど何もない週もある、というような状態がずっと続いていました。

 その時、自分の恵まれている部分に気づいたんです。経済的にも困らなかったですし、実家暮らしなので孤独になることもそれほどありませんでした。そう思ったとき、自分は助かっているのに何もできないのは無力すぎる、何か自分もしなきゃという心境になりました。逆にどこかに繋がりを見つけていかないと自分がもたなくなるような気もしていました。

 防災ピクニックでは地図を作ったり、問題文をパワーポイントで作ったりしました。ピクニック中に出される問題も、団体からのアドバイスを基に先輩に相談しながら作りました。回答用のWebフォームやアンケートも含め、何かを作るという仕事に関しては、基本的にほとんど関わらせていただいていたと思います。

 

協働することの難しさはありましたか?

 何かにぶつかったという具体的なことはなかったです。ただ一週間ごとに会議があるので、来週までに何、再来週までに何をすると決めて仕事していたのですが、間に合わないのではと思うときもありました。

 司会もやらせていただきますと言ったものの、当日ぶっつけという感じではじめは緊張しました。団体の方がぐいぐい引っ張ってくださったので、その勢いに乗らせていただきました。

 

終わってみて正直な感想は?

 色んな方に盛り上がっていただけて安心しました。初対面同士の方も多く、クイズには難しい内容もあったので、本当に盛り上がっていただけるかと思っていたものですから。またみなさんが新型コロナウイルスの影響下で、どこまで安心して参加していただけるのかということも心配していました。

 終了後のアンケートは「こういう問題は難易度をもうちょっと上げた方がよいのでは」とか「グループの人数が多い方がもっと盛り上がるのではないか」というような細かいご意見を頂きました。ただ全体としては面白かったというポジティブな意見を多くいただきました。これらの意見は有難く受け取り、今後の活動に活かしていきたいと思っています。

 

今後の展望について聞かせてください。

 今回防災ピクニックで企画をやらせていただいて、技術面でいろいろ考えさせられることもありましたし、初めて人前で立たせていただく機会を得ました。そのなかでも一番の収穫は「繋がり」を得られたということです。イベントの班分けもいろんな「繋がり」を持っていただけるよう考え、あえて大学生を別グループに分けたりしました。今までは「繋がり」なんて考えたこともなくて。ただ今回インターンさせていただくことになり、他のボランティア団体ともかかわらせていただいたのですが、そこで今まで存在すら知らなかった地域の方とお話しする機会がありました。一歩踏み出せばこんなにいろんな人と繋がれるんだって思ったのは、自分の中ですごく衝撃でした。

 新型コロナウイルスがこれからどうなるかわかりませんが、時間があれば活動にもっと関わっていきたいと思っています。

 日本災害救援ボランティアネットワークの活動の中には、これまで関わりたいと思っていながらも関われていない活動があります。団体の皆さんは人を巻き込んでくださいます。それが有難いです。もちろん防災だけでなく他の課題にも興味があります。そちらの方も今後やっていきたいと思います。


【写真1】 防災ピクニックで参加者と向き合う佐々田さん

 

【お話を聞いて】

 防災ピクニック中、テキパキと朗らかに司会進行する佐々田さんの姿が印象的でした。しかしこのイベントが佐々田さんにとって初めてのイベント企画だったと聞き、聞き手は驚いてしまいました。

 今回のインタビューで印象的なことは、新型コロナウイルスの発生と流行が佐々田さんにとって行動を起こす一つのきっかけとなったことです。このインタビューを通して、新しい何かを生み出そうと試行錯誤する学生の存在を知ることができました。

 佐々田さん、今回はありがとうございました。


【写真2】 オンラインインタビューで、聞き手の質問に丁寧に応じる佐々田さん

 

(聞き手・文章:冨安皓行)