実施日 |
2025年6月21日(土) 13:30-16:10 |
参加者数 |
12人 |
実施内容
大阪大学豊中キャンパスにおいて、「キボタネツアー報告会」および、ドキュメンタリー映画『オレの心は負けてない』の上映会を開催した。本プロジェクトは日本に暮らす学生の視点から、日本軍「慰安婦」問題や、それをめぐる運動について考えることを目的として実施したものである。
本イベントは、「キボタネ若者ツアー2025SPRING」(以下、キボタネツアー)に参加した、関西在住の学生で企画・運営した。同ツアーは、性暴力のない社会を目指して「希望のたね基金」により実施され、韓国を訪問して日本軍「慰安婦」問題などについて学ぶプログラムである。
上映した映画『オレの心は負けてない』は、日本軍が「慰安婦」制度に関わっていたことを示す政府文書が見つかった1992年以後、元・日本軍「慰安婦」である宋神道(ソン・シンド)さんが、日本政府を相手にした裁判に挑んだ過程を記録したドキュメンタリーである。イベントでは、キボタネツアーを通じて得られた学びや葛藤を共有し、共に映画を視聴した後に、積極的な意見交換も行われた。

プロジェクトの考察
本プロジェクトは、日本軍「慰安婦」問題をそれぞれの立場と結びつけて考え、歴史認識や人権課題に主体的に向き合う貴重な機会となった。
キボタネツアーの報告では、韓国での見聞を写真を交えて共有しつつ、報告者自身の属性や立場、また大学など身近な場所における問題と接続した議論が展開された。これにより、日本軍「慰安婦」問題に関する知識の提供に留まらず、その背景にある差別意識や人権に関わる課題、さらに日本社会における構造的な問題についても考えを深めることができた。
また本イベントは、日本軍「慰安婦」問題に関心のある人々がつながり、情報交換や交流をする場としても機能した。イベント前後には参加者同士で自己紹介をしたり、互いの関心を共有する場面も見られた。幅広い社会課題についての意見交換や、コミュニティや社会の変革に積極的に参与する意識が共有された。
交流に際しては、会場内に展示した関連書籍も、参加者同士の会話のきっかけとして大きな役割を果たした。展示は、学びのリソースの紹介を目的としていたが、自然な形で交流を促進する働きもした。
運営面では、トラブルにより告知期間が極めて短くなったものの、当日は多様な背景の方にご参加いただき、「良いイベントだった」とのお声も寄せられた。今後も、日本軍「慰安婦」問題をはじめとする社会課題について考え、共に行動していこうという気持ちがいっそう強まる機会となった。
