REPORT【学生プロジェクト】フィールドワーク座談会

2025/08/06(Wed) - 10:00
実施日 2025年7月18日(金) 15:10-18:30
参加者数 14人(うち運営者4人)

実施内容

【概要・目的】
 2025年7月18日、人間科学研究科本館41講義室にて、「フィールドワーク座談会」を実施した。本プロジェクトでは、長期フィールドワークを経験した3名の学生が登壇し、研究論文や活動報告では語られない「裏話」を通して、フィールドワーカー特有の苦悩とそれを克服するフィールドワーカーの心得と態度を紹介する。パネルディスカッションや質疑応答を通して、参加者がフィールドワークのプロセスを具体的に理解し、各自のフィールド調査に適切に備えることを目的とした。

 【当日の流れ】
 プログラム
 ➢オープニング・趣旨説明
 ➢自己紹介・フィールド紹介
 ➢シャッフルトーク
 ➢まとめトーク
 ➢クロージング
 ➢意見共有

 最初に座談会の実施目的や注意事項、フィールドワーク研究の状況を講義形式で伝え、参加者が実施背景を理解する時間を設けた。その後、登壇者の自己紹介・フィールド紹介をした。休憩時間を挟んだ後に、「シャッフルトーク」と題して事前に設定したテーマ(e.g.1日のスケジュール・フィールドに向かう前の準備、他)をランダムに選び、登壇者の経験や知見を共有した。適宜参加者からの質疑応答時間も設け、積極的な意見交換が行われた。最後には「まとめトーク」として、研究・キャリアにおけるフィールドワークの意義や今後フィールドワークに入る人へのメッセージを伝えた。またイベント終了後も、意見共有として登壇者・聴講者の垣根を超えてディスカッションを行なった。

プロジェクトの考察

登壇者のフィールドワークに基づく経験談を共有する場として、会場は大きな盛り上がりを見せ、参加者・運営者双方にとって学びの多いプロジェクトとなった。参加者のなかにはフィールド調査を経験する学生もおり、登壇者の対話に対して共感や差異を実感する機会が生まれた。シャッフルトーク中にも、参加者から「フィールド調査に入る際の注意事項はあるか」など、質問をもらう時もあり、各人の経験知を共有する場になったといえる。またイベントの最後では、それぞれ研究関心の異なる参加者が調査手法について議論する時間も生まれた。イベント終了後、参加者からは「量的中心にしようかと思っていたが、フィールドワークという選択肢も考えるようになった」「様々な研究方法を実践する人同士で議論するのが楽しかった」「またしたい」「学部生にも聞いてほしい」といった言葉が出た。
 フィールド調査というテーマを出発点として、「人間」を明らかにする多様な研究手法やその意義に関する意見が交わされ、学術的な対話を促進する機会になったといえる。そのため、本プロジェクトの目的は達成されたと共に、運営の想定よりも多くの学びが生まれる時間となったといえる。一方で、本プロジェクトの参加者のほとんどが大学院生で、学部生の参加者が少なかった。今後はイベント実施場所・時間・告知を工夫することによって、より多くの学生が参加できるようにしていきたい。

(文責:大野 裕貴)