2019年6月17日から6月23日にかけて、中国四川省成都市にある教育部デジタル化学習サポート技術センター内のセミナー室で「中日防災安全技術研修プログラム」が開催されました。本プログラムは、OOS協定先の新安世紀教育安全科技研究院の主催、大阪大学人間科学研究科附属共創センターの共催で行われました。

 本研修プログラムでは、防災における日本の学術的実践的な知識と中国国内で地道に取り組まれている防災実践を融合させることで応用型の防災人材を育成すること、また、防災に関する単なる形式的な「テクニック」を学ぶのではなく、被災された方々に寄り添うことを目標としました。

 今回の研修プログラムの講師は、王教授(四川師範大学)、胡教授(成都師範学院・四川省心理学会副理事長)、陳氏(弁護士・新安世紀教育安全科技研究院)、張氏(新安世紀教育安全科技研究院理事長)、華教授(四川師範大学)、郭教授(四川省心理学会常務理事)、楊氏(新安世紀教育安全科技研究院副院長)、鎖氏(医師・新安世紀教育安全科技研究院)、孫氏(成都英尼安全技術株式会社社長)、張氏(新安世紀教育安全科技研究院研究員)に加えて、渥美教授(大阪大学大学院人間科学研究科)、吉椿氏(CODE海外災害援助市民センター事務局長)、神先氏(NPO法人北いわて未来ラボ副理事長)、貳又氏(NPO法人北いわて未来ラボ理事)、灘山氏(NPO法人北いわて未来ラボ理事)でした。研修プログラムの受講生については、中国の政府、学校、社会組織、民間企業など様々の領域から合わせて22名が参加しました。その上、宮前助教(大阪大学大学院人間科学研究科)、大門氏(京都大学防災研究所巨大災害研究センター研究員)、林亦中(大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程)が参加しました。

 本研修では、防災、教育、安全工学、医学、心理学、社会学、その他多くの分野を網羅しており、国内外の経済発展の状況や、法律、規制に基づき、理論と実践を組み合わせて学生とともに防災・減災について学びました。研修は、7日間に渡り、「安全応急管理理論、技術とケース分析」、「災害に関する法律」、「自然災害リスク管理概説」、「学校における自然災害リスク管理」、「国際救援」、「グループ・ダイナミックスにおける災害ボランティア」、「防災と安全教育技術」、「危機介入と心のケア」と9つのコースに分けて行われました。渥美教授は、日本における災害ボランティアの発展と各段階における問題および現代における防災教育に関する課題を講義とワークショップを通じて紹介しました。OOS協定先である北いわて未来ラボの神先副理事長、貳又理事、灘山理事の講義では、東日本大震災の被災地である野田村発祥の体験型防災ツールが紹介されました。

 本研修プログラムは、日中の市民団体及び大学が連携して行った中国初の防災教育と安全技術の専門コースでした。今後の日中両国における応用型の防災人材に育成にあたって、非常に有意義なプログラムとなりました。

 

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