研究科におけるハラスメント防止体制の強化について

大変残念なことですが、これまで本研究科の教育・研究活動(これには、本研究科が共同参画した教育プログラムや研究科外の構成員を加えた研究プロジェクトも含まれます)における、教員の言動や組織運営の在り方に対して、ハラスメントの観点から学生や関係者から訴えや相談が寄せられることがありました。その都度、研究科として、次善の対策を行った上で、反省をし、研修の充実などを図ってきました。

このような事態の背景には、教員の資質や認識の問題、研究科の組織運営体制や人事、人材育成の問題などがあると考えています。毎回、大阪大学憲章にもある人権の擁護の実現には不断の努力が必要であることを思い知らされています。また一方、近年の大学教育や学術研究の文化、さらには一般社会の大きな変動の中で起こる、相反する価値の間での葛藤を感じることもあります。これについては互いを尊重し、時間をかけた地道な対話が唯一の対処方法であろうと考えています。

こうした問題認識のもと、人間科学部/研究科では令和7年度から、「人と組織のレジリエンス・サポートルーム」を設置します。そのミッションは、ハラスメントをはじめ、様々な衝突やトラブルの起こる前の予防から、表面化・深刻化した問題への対処、その回復に至るまで、関係者が協力し合うための要となることです。ルームの活動は正解のない中での試行錯誤となるかと思います。お気づきの点等ございましたらぜひお声を寄せていただき、力を貸していただければ幸いです。

2025年 7月
研究科長    西森 年寿