人間科学とは

 

大阪大学人間科学部は、日本ではじめて設立された「人間科学部」です。1972(昭和47)年に大阪大学文学部から独立する形で、心理学、社会学、教育学の講座からなる学部として発足しました。現在は、学部は行動学科目、社会学科目、教育学科目、共生学科目の4学科目と学部英語コース、大学院は行動学系、社会学・人間学系、教育学系、共生学系の4学系に発展しています。 

人間科学部/研究科は、「時代が突きつける新しい課題に対して、科学的方法を信頼して学際的に対応し、人間への理解に基づきながら、現実に向かう開かれた精神」を重んじて、教育研究を行っています。この精神に基づき、現代社会に関わる諸問題を理論や実験、調査などから得られるデータやさまざまな学術分野の幅広い視野から考察し、問題解決を図っていくことのできる能力を養い、21世紀の日本及び国際社会に貢献する人材の養成を目標としています。

少子高齢化、現代社会特有の心や対人関係の問題、格差や貧困の問題、災害の多発化、テロの脅威と国際社会における紛争などの諸問題の解決を目指す「実践性」に加えて、現代社会の諸問題を理系の学問をも含む広い学術的視野から考えるための「学際性」、現代社会に不可欠なグローバルな視点から考えるための「国際性」の3つを理念として掲げています。

人間科学部/研究科は、2022年に創立 50周年を迎えるまでになりました。しかしながら、まだまだ「人間科学」という学問が、1つの専門領域として世間に知られているとはいえません。私たちは、「実践性」「学際性」「国際性」を理念として掲げ、人間そのものへの学術的理解の進展を目指すとともに、学術の世界の専門的知識を基盤として、地域、行政、NPO、企業などと協働して「共創知」を創りあげ、社会の諸問題の解決を目指します。新たな人間科学を志す若い人たちとともに、21世紀の人間の営みに貢献する新しい知の世界を切り拓いていきたいと考えています。