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「新たなつながり!お寺・神社と防災・見守り・観光 ITを用いた地域連携に関する協定・共同研究始動」2017年5月15日、大阪大学大学院人間科学研究科にて調印式・記者発表を行いました。

お知らせ
新たなつながり!お寺・神社と防災・見守り・観光
ITを用いた地域連携に関する協定・共同研究始動
本取り組みについて、2017年5月15日、大阪大学大学院人間科学研究科にて
調印式・記者発表を行いました。

 

概要


図1 災救マップ・アプリ

 


図2 みまもりロボくんⅡの独立電源として使用するNTN製ハイブリッド街路灯

  • 他にはない、市民が発信できる双方向システムの防災スマホアプリ「災救マップ」※1を防災・見守り・観光に。
  • 宗教施設、学校、公民館等の位置情報を集約、自治会と連携して「みまもりロボくんⅡ」※2で見守り活動へ。
  • 新たな産官社学連携の仕組み「大阪大学オムニサイト」がスタート。

 

 大阪大学大学院人間科学研究科の稲場圭信教授らの研究グループは、お寺・神社などの宗教施設を地域資源とした防災の研究実践に取り組み、全国の避難所および宗教施設あわせて約30万件のデータを集積した日本最大級の災害救援・防災マップである「災救マップ」※1・アプリ(図1)を構築しました。この度、「災救マップ」と、一般社団法人全国自治会活動支援ネットが開発・普及を進める見守りカメラの機能をもつWiFiステーション「みまもりロボくんⅡ」※2(図2)の機能と技術を整備し、防災、見守り、観光の仕組みを共同開発します。
 また、新たな産官社学連携の仕組みとして、大学人に加えて、一般市民、企業人など多様な人が登録し参加できる「大阪大学オムニサイト」もスタートさせます。本取り組みについて、5月15日(月)大阪大学大学院人間科学研究科(吹田キャンパス)にて、調印式、記者発表を行いました。

 近年、自然災害の頻度や規模が増大しています。個人の命を守るため(自助)、地域の人々が協力して災害救助を迅速に行うため(共助)、そして公共の支援やその後の復興を促進するため(公助)に、地域連携の仕組みが必要ですが、防災のみでは社会的波及効果が薄いことも事実です。平常時と非常時を連動させるために、高齢者・子どもの見守りや観光を合わせた仕組みづくりに、大阪大学と様々な組織が連携して取り組むことで、大阪大学の新たな社会貢献がはじまります。

 

本取り組みの背景

 東日本大震災の被災地では、100以上の寺院・神社等宗教施設が緊急避難所となりました。大阪大学大学院人間科学研究科の稲場圭信教授らの研究により、今、宗教施設と市町村の災害時協力・協定が増えていることが分かりました。

  協定締結 協力関係 合計
指定避難所   収容 75 603 678
一時 197 1,228 1,425
指定避難所合計 272 1,831 2,103
避難所指定無し 127 171 298
合計 399
(95)
2002
(208)
2,401
(303)

        ( )の数字は自治体数

 

2014年7 月実施、全国1,916自治体、回答数1,184、回答率62%
稲場圭信 「自治体と宗教施設との災害協定に関する調査報告」 『宗教と社会貢献』第5巻第1号、2015年4月,71-86頁.
http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/bitstream/11094/51351/1/rsc05_01_071.pdf

 

 しかし、このような神社・寺院の災害時の機能についてはあまり知られておらず、世の中に多数存在する防災マップ・アプリは、小学校や公民館などの公の指定避難所のみが収録されています。また、そのような防災マップ・アプリは、避難場所の提示や誘導のみで、市民が被災状況を発信する双方向の仕組みがありません。
 今回の取り組みは、上記の防災における課題に加えて、見守りと観光を含んだ非常時と平常時の両方を想定したものです。

 

本取り組みが社会に与える影響

 本取り組みは、全国に存在する約20万の宗教施設、約30万の自治会組織を地域資源とし、ITを用いて防災を基礎に地域のつながりを見える化し、新たな縁の構築を実践的に模索する試みです。今後、地域創生、観光業、防犯への活用など、多方面に連携領域を拡げていきます。
 

本取り組みの具体的内容

■ ITを用いた防災・見守り・観光に関する仕組みづくりの共同研究
防災・災害時支援に関する情報網および、高齢者・子ども・市民の見守りや観光を合わせた情報インフラを構築します。

内容:

  1. 地域の自治会と宗教施設、地域の観光局の連携。
  2. 情報インフラの基盤となる無線Wi-Fi通信設備「みまもりロボくんⅡ」と「災救マップ」の機能と技術の整備。
  3. 歴史と文化という情報と地域性が同じ要素である自治会活動の情報と宗教施設のデータベースの構築。
  4. 社会福祉協議会、教育委員会、民生委員などとの連携。
  5. ビッグ・データの活用。

共同研究構成員: 国立大学法人大阪大学、一般社団法人全国自治会活動支援ネット、株式会社ナブラ・ゼロ、トリオン株式会社、NTN株式会社、他
研究代表:大阪大学人間科学研究科教授 稲場圭信

■ 災救マップを活用した災害時協力に関する協定

内容:

  1. 避難場・避難場所・緊急避難所の施設情報などを提供する。
  2. 災害時に災救マップを稼働するサーバーがダウンしないように管理する。
  3. 平常時において、災救マップの普及に努める。
  4. 上記(1)~(3)を行う体制の整備及び維持に必要な取組を行う。

国立大学法人大阪大学大学院人間科学研究科と、以下の連携組織の協定。
連携組織: 一般社団法人全国自治会活動支援ネット、株式会社ナブラ・ゼロ、宗教者災害支援連絡会、NPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク、ほか

■ 大阪大学オムニサイト(OOS)
 新たな産官社学連携の仕組み。大阪大学未来共創センター※3で進めているサイエンスカフェ、高大連携、人間科学セミナー、市民公開講座など学内外のセミナーやイベントの「場」、および企業・財団・地方自治体・NPO/NGOなどの活動や臨床の現「場」をOOSと位置付けます(オムニ:あらゆる+サイト:場)。その各OOSでの実践や取組すべてを研究実践の「場」とします。OOSには、大学人に加えて、順次、一般市民、企業人など多様な人が登録し参加できるようして、セミナー等の参加者にはスタンプラリーのようにOOSポイントがたまるような仕組みを構築していきます。将来的にはこれらのOOSの活用データを分析し、AIで、商品、書籍、セミナー・イベント情報などを提供していきます。
 今回は、OOS第1、2号として、一般社団法人全国自治会活動支援ネットおよび一般社団法人全国寺社観光協会とそれぞれに協定を締結しました。全国自治会活動支援ネットおよび全国寺社観光協会が主催・共催する展示、シンポジウム、イベントで連携します。
 将来的には、OOSでの取り組みをさらに社会還元するために、イベントをやりっぱなしではなく効果測定をします。イベントの前後で参加者の意識や行動を比較、たとえば、人権セミナー、防災セミナー、高齢者介護セミナーなどの効果測定に取り組みます。
 

用語説明

※1 未来共生災害救援マップ(略称:災救マップ) ・アプリ
 寺院、神社、教会などの宗教施設約20万件、学校や公民館などの指定避難所を合わせて約30万施設をマップにしたもので、インターネット上で無料公開している。災救マップ・アプリは、iPhoneおよびAndroidのユーザーが被災状況を発信できる双方向システムを備えている。文部科学省「博士課程教育リーディングプログラム(未来共生イノベーター博士課程プログラム)」の予算で2013、2014年に開発した大阪大学の知的財産(大阪大学知的財産:C20160021、2017年1月承認)。その後、以下の研究費で改良。科学研究費補助金基盤研究A「宗教施設を地域資源とした地域防災のアクションリサーチ」(代表:稲場圭信)https://relief-map.jimdo.com/  30万件のデータを管理する高度なIT技術等は、(株)ナブラ・ゼロ(http://www.nabla-zero.jp/)が提供している。
 ◆スマホアプリのダウンロード
   (iPhone版) App Storeで、「災救マップ」を検索して、アプリをダウンロード。
   (Android版)Google playで、「未来共生災害救援マップ」を検索して、アプリをダウンロード。
 アプリ起動と同時に、GPS機能により、現在地周辺の避難施設、宗教施設が表示される。平常時は地図としても利用可能。近隣の避難所や宗教施設の場所を確認することにも利用できる。大災害時、避難所や宗教施設に避難した時に、施設アイコンをタップし、被災状況、メッセージ、写真等を投稿できる。投稿すると施設アイコン周辺に各色の■が出現、その■をタップすると投稿情報が表示される。SNSでシェアも可能。災救マップの更新情報や使用方法の詳細は以下。http://www.respect.osaka-u.ac.jp/map/

※2 みまもりロボくんⅡ
 全国30万の自治会への政策提言を目的に設立され、災害、防犯、地域の子供と高齢者のみまもりを目的として活動している一般社団法人全国自治会活動支援ネットの発明品で、地域の安全・安心の要として常時/非常時の見守りカメラの機能をもつWiFiステーション。停電時にも太陽光・風力発電(NTN社製)で機能する。

※3 未来共創センター http://www.hus.osaka-u.ac.jp/ja/mirai-kyoso
 大阪大学大学院人間科学研究科に2016年4月に開設。多様な人材が集まって、本研究科教員の個別の学問領域における研究の機能強化だけでなく、異なる研究領域の研究者との接触や協働を通して、新たな融合的学問領域の展開と、国内外の現場に寄り添った実践的な教育研究活動を推進する。