交通事故はなぜ起こる？どう防ぐ？
～人間科学から交通安全を考える

日時： 2019年6月20日（木） 15:00～16:30

場所： 大阪大学大学院 人間科学 研究科
北館2F ラーニングコモンズ

講師： 中井宏　准教授

近年我が国では、交通事故件数、交通事故死者数ともに減少を続け、特に死者数は 3,532 人（ 2018 年）となり、現在の形で交通事故統計が残る 1948 年以降で最少となっている。しかし、幼子が犠牲になる事故やあおり運転に関する報道の過熱ぶりを見ても、交通安全が社会の重要な関心事であることは論を俟たない。

大阪大学における交通事故防止研究は、故鶴田正一文学部元教授に端を発し、今日に至るまで脈々と引き継がれている。人間科学部の歴史は言わば交通心理学の歴史でもある。本セミナーでは、交通事故の発生に繋がる人間の心理的特性について概説するとともに、私が実践している安全教育プログラムの一部を紹介する。

自動運転車が交通諸問題解決の切り札のように思われているところもあるが、その実現はまだまだ先のことであろう。幅広い学問領域（例えば高齢者、女性、外国人、障がい者など）を扱う人間科学という学問が、交通安全にいかに貢献できるかを皆さまと考えたい。