REPORT 学生プロジェクト:人間科学部四学系交流会

2022/02/09(Fri) - 08:00
実施日(期間) 2022年2月6日(日) 12:00-14:30
参加者数 人間科学部の学部生、大学院生、教員など13名(発表者四名含む)

実施内容

2022年2月6日(日)、zoomにて、大阪大学人間科学研究科付属未来共創センター主催・未来共創センター学生プロジェクト企画「四学系交流会」を行った。この交流会は、二年次秋冬学期以降に相互の専門領域について触れる機会が少ないという人間科学部の現状を受けて、それぞれの学系の枠を超えた研究発表及びディスカッションを行うことで、普段交流のない専門領域同士の交流を図り、相互理解を深めることを目的として開催されたものである。当日は、人間科学部の四学系の学部生を中心に、行動学系や共生学系の教員、共生学系の大学院生など、様々な所属の方に参加して頂くことが出来た。以下、イベントの様子を報告する。

前半部では、共生・行動・教育・社会学系の発表者が、それぞれ学系紹介と研究発表を行った。

最初に、主宰の中谷(共生の人間学・三年)が、この交流会全体の意義について、人間科学部における共生学系の立ち位置や、そこで共生の人間学という哲学・思想系の研究室が果たし得る役割から発表した。その後、専門とする哲学者ジャック・デリダの思想について研究紹介を行った。

次に、橋本(社会心理学・三年)が、社会心理学という領域の基本的な特徴や、利他行動と自尊心の関係という自身の研究を紹介した後、神経生理学における意識の扱いについて発表した。

藤井(教育文化学・三年)は、発表者の中で唯一フィールドワークを研究手法とするという背景から、学系紹介と共に、参与観察の手法や特徴、難点などの紹介を行った。

最後に、千草(社会学系文化グループ・三年)が、「社会」と「個人」の関係に着目して、社会学における「社会」についての幾つかの思想を紹介した後、ハリウッド映画のシリーズ作品におけるヒロインの描き方の変遷を社会学的に分析するという自身の研究について発表した。

発表が終わった後半部は議論をフロアに開き、質疑応答及びフリーディスカッションを行った。それぞれの領域の研究手法やゼミ形式、卒論の課題設定の時期や大学院進学について、現在の研究テーマを扱おうと思った動機など、お互いの研究活動について活発に情報交換を行った。

プロジェクトの考察

今回発表した学生の専門に限定しても、文献調査を行うフランス哲学思想研究、量的研究による社会的行動の動機と自己認識の関係究明、高校での参与観察に基づく探求学習の可能性探究、そして映像分析によるハリウッド映画と社会運動の関係究明と、同じ学部の学生とは思えないほど主題、手法共に様々であり、改めて人間科学部の専門領域の多様さと、交流を通じた新たな学知の創造の可能性を感じた。ただし専門について言えば、初回ということもあってそれぞれの領域における基礎的な事項に関する情報交換が多く、相互の専門を吸収して自分の領域と接合することや、学際的な共同研究を行うには、自身の専門性の向上と他領域への理解の双方の向上が不可欠であると感じた。しかし、基礎的であるが故に重要な知識を共有できたこと、そしてそうした将来の交流活動の端緒を開くことが出来たという点で、本プロジェクトは一定の成果を上げることが出来たと考えられる。

(文責:中谷 碩岐)