Wed, 02/14/2024 - 08:00 お知らせ

リアルな大学生活を疑似体験!ボードゲーム「DAIGAKU」の製品化へ


2024年2月14日

―大学生の不安を共有・解消する「楽しい教育ツール」を届けたいー
リアルな大学生活を疑似体験!ボードゲーム「DAIGAKU」の製品化へ

❖ 概要

 大阪大学大学院人間科学研究科 萩原広道 助教、同大学文学部 青木海さん(1年生)、工学部 倉谷聡さん(1年生)、中島規希さん(1年生)、西村知晃さん(1年生)のプロジェクトチームは、リアルな大学生活を疑似体験するボードゲーム「DAIGAKU」を開発しました。現代の大学生が抱く不安や悩みを共有・解消する「楽しい教育ツール」としてこのゲームを改良し、さらに製品化・配布するため、2月14日(水)9時より、READYFOR(レディフォー)にてクラウドファンディングを開始しました。

 このゲームを通じて、現役大学生や大学進学を考えている高校生に対し有益な進路教育・キャリア教育支援を届けるとともに、大学をより社会に拓かれた存在にしていきたいと考えています。ぜひご周知のほどどうぞよろしくお願いいたします。

 【プロジェクトwebサイト】

❖ 大学生の不安を解消・共有したい

 大学生を取り巻く状況は、年々変化し続けています。特に学部新入生は、情報で溢れる新生活のなかで、どの授業を取るか、アルバイトやサークル活動は何をするかなど多様な選択肢に圧倒されてしまったり、研究室配属や就活など、将来学内外でどんなイベントやハプニングがいつ起こるのかを予測できなかったりするため、漠然と不安を抱えていることが多くあります。現代の学生たちが抱える不安や悩みを共有し、これらに対処する「『しなやかな力」を一緒に身につけていきたい。」このような願いを込めて、学生と教員の混成によるプロジェクトチームは、ボードゲーム「DAIGAKU~いばら色のキャンパスライフ~」の開発を進めてきました。

 「DAIGAKU」は、現代のリアルな大学生活を疑似体験できるボードゲームです。プレイヤーは「大学生」となり、学業・バイト・課外活動といった様々な選択肢の中からアクションを自分で選択し、4種類の資本を得たり消費したりしながら「充実したキャンパスライフ」を目指します。自分でアクションを選びながらゲームを進めていく点で、通常のすごろくとは異なります。さらに、プレイの過程で、プレイヤーには様々なハプニングやイベントが降りかかります。「単位を落とした」「バイトで昇給した」など日常のひとコマから、「大学改革」「感染症の蔓延」などの一大事まで、その内容はさまざまです。ハプニングに翻弄されつつも、その都度それらに対応したり軌道修正を図ったりしながらキャンパスライフを送っていく、という流れになっています。

 「DAIGAKU」で体験するのは、バラ色とは限らない、ときには「いばら色」になってしまうような、現代のリアルな大学生活です。「ゼミ発表で頑張ったからおいしいランチに行く」「教習所に通ってついに免許が取れた」といった嬉しいイベントが起こるなかで、ときには「授業に出るよりも、結局サークルとバイトに明け暮れてしまった」「奨学金の返済が心配……」など、ビターなイベントが生じることもあります。それらを含めて、「あー!こういうことあるわ!」「たしかに、こういう学生いるわ!」とゲーム内の「大学生」の境遇に没入したり共感したりできるように、ゲームのルールには工夫が凝らされています。決して順風満帆ではなく、山あり谷あり、ハプニングへの対応に迫られながら「充実した学生生活」を目指すというプレイ体験を通して、自分の人生を自分でデザインする力を養うことができるのではないかと考えています。

 プレイ体験を通じて、高校生や学部新入生にとっては、近い将来の生活を具体的にイメージ・シミュレーションすることができます。就活間際の学生にとっては、自分の学生生活を俯瞰的に振り返ったり、残りの学生生活をどう過ごすかを考えたりする契機となるでしょう。かつて学生だった大人たちにとっては、当時とは状況が異なる「今どきの学生のリアル」を、実感をもって知るツールとしても機能します。

❖ プロジェクト発足の背景

 本プロジェクトは、2023年度前期に実施された、学部1年生向けの少人数ゼミ(学問への扉:「大学生を体験する」ボードゲームの開発と研究)での取り組みがきっかけになっています。授業のなかで、私たちは、このゲームが現役大学生や大学進学を考えている高校生にとって有益な進路教育・キャリア教育のツールにもなるかもしれないという可能性を見出しました。そこで、学生有志4名と教員とが協力し、授業の範囲を超えてボードゲームをさらに改良するとともに、製品化に向けて動き出すことに決めました。

「学問への扉」受講生との集合写真

❖ 本プロジェクトの内容

 クラウドファンディングでいただいた寄付金は、ゲームのデザインを洗練させたり、ルールを改良し教育的価値をより明確にしたりするための開発費に充てるとともに、日本最大のボードゲームの祭典「ゲームマーケット」への出展費に充て、より多くの方に本ボードゲームを知ってもらえるようはたらきかけていきます。さらに、本ゲームを教材として活用する際のガイドブックを制作したり、関西圏を中心に全国各地の大学に製品化したボードゲームを配布したりして、多くの方にご活用いただきたいと考えています。

<プロジェクトの詳細>

【タイトル】リアルな大学生活を疑似体験!ボードゲーム「DAIGAKU」の開発へ
【URL】
【目標金額】第一目標150万円、第二目標250万円、第三目標300万円
【募集期間】2024年2月14日(水)9時 ~ 3月29日(金)23時
【形式】All or Nothing 形式
※ 期間内に集まった寄付総額が目標金額に到達した場合にのみ、実行者が寄付金を受け取れる仕組みです。
【資金使途】(第一~第三目標を含む)
・ルール改定のための取材費、ヒアリングを兼ねた試遊会の開催費
・ゲームデザイン費、印刷費、ゲームマーケット出展費・出張旅費
・ゲームを教材として活用する際のガイドブック制作費
・ゲームの拡張機能の整備費(各大学の特色をゲームに反映できるようにします)
・留学生向け英語版「DAIGAKU」の開発費(日本での大学生活をイメージできるようにします)
・開発したゲームと教材活用ガイドブックの配布費(全国の大学100校を予定)

❖ 本プロジェクトが社会に与える影響

 「ゲーム」=「軽薄で安直な発想」という考えもあるかもしれません。しかし最近では、ゲームは「社会問題の解決」にも活用されていますし(例:防災教育「クロスロード」)、現代人にとって非常に身近なものです。ゲームという気軽なツールだからこそ、プレイの中で現代の大学生が置かれている状況を、より “自分ごと” として肌身で体験してもらったり、現役または未来の大学生が自らの手で具体的に将来を思い描くことを支援したりすることができると期待しています。

 このゲームで遊んでもらうことは、大学をより社会に拓かれた身近なものにし、日本の大学をもっと元気にすることにも貢献すると信じています。クラウドファンディングでは、自分の生活を自分でデザインする力を培う“楽しい”教育ツールとして「DAIGAKU」をさらに改良し、ボードゲームの祭典であるゲームマーケットに出展、さらには製品化することを目標に活動していきます。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!

❖ 特記事項

 本プロジェクトは、令和5年度第2回 大阪大学未来基金「クラウドファンディング基金」に採択され実施するものです。

❖ 参考URL

日々の活動報告は、SNSでも発信しています。
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【Instagram】
萩原広道 助教 researchmap:

❖ 本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院人間科学研究科 助教 萩原広道(はぎはら ひろみち)
TEL:06-6879-8045
E-mail: hiromichi.h.hus@osaka-u.ac.jp