人科生の声 島藤 安奈さん

「聞く側の気持ちを意識して伝える」という経験が自分の成長に

私はもともと自分をアピールすることが苦手で、特にプレゼンテーション能力に欠けていると危機感を抱いていました。中道先生から未来共創センターの紹介があったその日、ここならきっと成長できる!と思い、すぐに連絡を取ったのを覚えています。

具体的な活動内容としては、1つは、聞き手のお客様に近い立場としてサイエンスカフェに携わりました。登壇者がどのような話をされるのか、どのような方が聞きにくるのかをあらかじめ打ち合わせし、二者間の意見交流ができるような空気作りに努めました。2つは、話し手として幾つかの中高へ出張授業に行く機会をいただきました。例えばある中学校では、進路キャリアを考えるきっかけとなる話をしてほしいという要望がありました。そこで私は事前アンケートを取ることを提案し、当日はそのアンケートを基にリスナーとDJというラジオ形式で話を進めることで、子どもたちに親近感を持ってもらおうと努力しました。また「私も勉強は好きではなかった」という自己開示を行うことで、阪大生も一緒なんだという共通意識を持ってもらうように工夫しました。

このように、話し手と聞き手という2つの立場を経験できたことで、聞き手側を意識したプレゼンテーションができるようになった気がします。このことは、プレゼンテーションだけでなく、研究計画を作成する時にも役に立ちました。日本学術振興会特別研究員(DC1) に採用されたのも、読み手の審査員を意識した書き方ができたからだと思います。

大阪大学大学院人間科学研究科
行動学系 行動生態学講座 比較発達心理学
博士後期課程1年

島藤 安奈さん

小林聖心女子学院高等学校出身。現在は、比較発達心理学研究分野に所属しています。自閉スペクトラム症児の視線行動特性について視線計測装置を用いて研究しており、自閉スペクトラム症児の障害特性や発達を評価できないかと日々奮闘中です。研究だけでなく任意団体を立ち上げ、誰しもが持つ“凸凹”の“凸”を活かせるようなインクルーシブ教育の場を作ることを目標としています。