橋本拓夢特任研究員が日本教育制度学会紀要論文奨励賞を受賞
橋本拓夢特任研究員が2025年11月に日本教育制度学会紀要論文奨励賞を受賞されました。
以下は橋本研究員からのコメントです。
この度は、日本教育制度学会紀要論文奨励賞を賜り、誠に光栄に存じます。
拙論「タイにおける多職種・多機関連携の制度化による教育格差是正策に関する研究―スコータイ県の「教育格差是正のための社会的セーフティネット」を事例として―」は、タイ王国の公教育制度から排除された状態にある子ども若者をターゲットとした、「格差是正のための地域に基盤を置く教育運営(Area Based Education:ABE)」事業の制度実態を明らかにしたものです。具体的には、各県・コミュニティレベルでの多職種・多機関による連携体制の構築を通じ、教育および生活にかかる個別具体的な支援計画を立案・遂行するというものです。
実は、査読の修正コメントに対応していた2024年5月下旬、ABE事業は「Thailand Zero Dropout(TZD)」事業と名称が変更されました。TZD事業はABE事業の理念や構造を継承しているものの、「柔軟な教育・学習運営」による子ども若者の学習機会保障を一層志向したものであり、「公正(equity)」に価値を置く公教育制度改革として注目に値する施策と考えられます。この度の奨励賞を賜りました拙論を2026年度の研究展開の「初手」として位置づけ、より発展的なタイ教育制度研究に取り組んで参ります。
ところで、私は日本学術振興会特別研究員PD(2025年4月~)としての期間を活用し、2026年4月から8月までタイ王国・タマサート大学政治学部(Faculty of Political Science, Thammasat University)に客員研究員として滞在します。今次の在外調査研究は、上記のTZD事業の運用実態調査を目的の一つとしており、タイ政府の学術振興部門であるNational Research Council of Thailandの承認を得て実施するものです。在外調査研究の成果については、今年度予定されている国内外での学会報告および論文投稿として発信していく予定です。
最後に、拙論の執筆にあたりご指導を賜りました滝沢潤先生をはじめとする広島大学教育行財政学研究室の皆さま、阪大での自由な研究生活をサポートしてくださっている園山大祐先生をはじめとする大阪大学教育制度学研究室の皆さま、拙論を世に送り出すうえで伴走をしてくださった編集幹事を含む紀要編集委員会の先生方、とりわけ査読の労を取ってくださった先生方に、心からの御礼を申し上げます。今後もご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
- 橋本研究員のプロフィール:
- https://rd.iai.osaka-u.ac.jp/ja/d33d83ec9ca5754b.html



