教育環境学講座

人間形成と教育を科学的に探究する


環境教育は分かるけれど「教育環境」という言葉はやや聞き慣れない、と思われるかもしれません。人の誕生から幼児期、児童期、青年期、成人期、そして老年期に至るまで、私たちを取り巻いている「環境」は、人間の成長・発達 にとても大きな影響を与えています。環境には「人的」なもの、「空間的」なもの、 「時間的」なものあるいは「動的」なものなど、多様な側面があります。現代のように複雑化・高度化した社会では、個人の環境そのものの多様化も急速に進んでいます。それらの環境が正しく理解され、教育・学習の機会が適切に保障されなければ、人間のよりよい成長・発達あるいは学びが阻害されてしまう可能性があります。すべての人間にとって、教育環境が重要なことは言うまでもありません。
教育環境学講座は、 教育社会学,教育制度学、生涯教育学、教育文化学 の4つの研究分野から構成されています。教育の場は、家庭や学校だけではありません。図書館や公民館などの地域の施設、働く場所や、住んでいる地域、イン ターネットによる情報空間など、多種多様なものが存在します。近年では、教育の国際化や、情報化も急速に進んでいます。本講座では、このような学びの場所や機会が、今どのような状態にあるのか、これまでどのような変化をたどっ てきたのか、そして今後はどのような形態や組織構造になっていくと予想されるのかなどについて、人間科学の学際的な視点で、また量的・質的なデータ分析あるいはフィールドワークなどを通して、現代社会の教育環境に関する問題解明に取り組み、それらの成果に基づいた中・長期的な計画の策定をめざして います。
個人の状態や内面に焦点をあてる「臨床教育学講座」とともに、人間を取り巻く環境条件をどのように「最適化するか」を考えることはきわめて重要なことです。本講座は、臨床教育学講座とともに教育学系を構成し、人間科学の観 点から教育学の新たな分野の開拓に挑戦しています。


教育環境学講座

*教職課程担当