Wed, 07/30/2025 - 10:00 お知らせ

杉本めぐみ准教授が令和7年度女性のチャレンジ賞特別部門賞を受賞


人間科学研究科未来共創センターの杉本めぐみ准教授が令和7年度内閣府女性の令和7年度女性のチャレンジ賞賞特別部門賞「男女共同参画の視点に立った防災・復興」を受賞されました。

杉本先生は、2004年インド洋津波の復興と防災支援の専門家として在インドネシア日本国大使館や日赤等で活動し、その後20年にわたって国内外の災害支援や災害研究や防災教育に従事されてこられました。前職の九州大学では女子高校生の夏期理系研究インターンシップ制度「QURIES(キュリーズ)プログラム」の創設を行うなど、女性支援や後進の育成にも尽力されてきました。過去の南海トラフ地震から着想し、インドネシアに津波伝承碑85基の建設を行うなど学際的な研究アプローチだけでなく、国内外の自然災害の現場で女性支援の実務も行っています。

2025年8月5日大阪・関西万博オランダパビリオンでインドネシア気象庁長官を基調講演に招聘し女性と気候変動の国際シンポジウムを開催するなど、本学でも精力的に活動されています(イベントの詳細はこちら)。

杉本 めぐみ 准教授のコメント

令和7年度の特別部門「防災・復興」での受賞にあたり、災害の犠牲者に哀悼を捧げ、被災された皆様にお見舞い申し上げますとともに、ご支援を賜りました関係者、事務方の皆様、活動のバトンを託してくれた恩師に心よりお礼申し上げます。

2011年東日本大震災の避難所の性被害を看過できず、2013年内閣府男女共同参画局に「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組の指針」が出され、2015年男女共同第4次基本計画に防災項目が記載されて女性のための避難所マニュアルを作成するなど、わずかずつ制度を整えています。しかし、今なお世界的に天災も人災も女性やマイノリティなど声を上げられない状況に置かれがちであることは変わらず、その方々の現状や声にならない思いを拾い微力ながら、社会へ届けられるよう努めてまいります。

現在、国内の排外主義が目立ってきましたが、自分が活動してきた2004年インド洋津波で約17万人犠牲になったインドネシアのアチェでは、それまで続いてきた民族紛争が、津波をきっかけに国際支援が入って外からの見守りが増え、和平合意が達成しました。外国人でも異教徒でも受け入れてくれたからこそ、自分のようなささやかな防災活動も20年間続けられました。振り返ると、今の日本や世界と逆方向に社会が動いていたと感じます。

あの頃と違って複雑で難しい時代を生きている学生の皆さんに、ぜひ国の外に出たり、自分がマイノリティになるコミュニティの中に入ったり、ご自分の目で多様性を見て肌で感じる経験もしてもらえたらと願っています。自分の所属するコミュニティから遠い所でも、ささやかながらも続けていれば、誰かが応援してくれたり手伝ってくれたりする人がいるということをお伝えしたいと思います。有難うございました。

杉本めぐみ准教授のプロフィール:
https://rd.iai.osaka-u.ac.jp/ja/f459a04541ce56b9.html