生物人類学

私たちの行動の由来を知り、未来を創る

生物人類学

【研究課題】
  • サル類の音声の解剖生理学・工学的実験による言語の進化に関する研究
  • サル類の歩行のバイオメカニクス実験による直立二足歩行の進化に関する研究
  • サル類の身体の形態と運動に関する機能形態学的研究

生物人類学は、「私たちはどこから来たのか、私たちは何者か、私たちはどこへ行くのか」を問う学問です。私たちは、生物学的には「ヒト」という動物ですが、同時に、「人」という文化的な存在でもあります。人類は、直立して二足で歩き始めてから、自由になった手を使って道具を作り、言語を獲得し、文化文明を築くに至ります。それは、自らの手で環境を変え、そして自ら作り出した環境により新たな進化を遂げるという、他の動物にはない稀有な道のりでした。そうしてできた特異的な生物学的特性は、私たちの行動やこころの中に息づいています。生物人類学研究分野では、サル類との比較を通じて、私たちの本性とも言えるその生物学的特性が、どのような変遷を経て今に至り、今を生きる私たちの中でどのように働いていて、そして、現代社会の環境とどのような相剋を生じているのか、を理解する挑戦を続けています。

教員