生物人類学

ヒトの行動の起源を探る

生物人類学

【研究課題】
■ ロコモーションを中心とした行動をめぐる機能的人類学
■ 運動と形態の系統発達から見た人類進化に関する研究

行動形態学研究分野は、生物としてのヒトの適応に関する研究を行っています。ヒトの特徴としては、直立二足歩行を行うこと、精細な手指を用いて環境に働 きかけること、脳の発達により文化・技術などの非生物学的適応を実現していることなどがあげられますが、こうしたヒトの特徴の由来を分析することで、進化史的なヒトの起原を追求しています。基本的な研究手法である機能形態学は、解剖学的構造を機能と関連づける手法で、3次元形態計測器、実態顕微鏡、光学顕微鏡などの形態学的計測機器だけではなく、3次元運動解析システム、筋電図、床反力計、各種圧力センサーなどの生機構学的実験機器をフルに活用して研究を 行っています。ヒトの特徴を解釈するためにはヒトと近縁な霊長類のデータをあつめることが重要であると考えていますので、多様な霊長類を材料として、脳、 感覚器、筋、骨などの適応に関する比較機能形態学的研究を実施してきました。こうして得られた知見は、ヒトに先行する化石種の生活復元に資するものである と考えており、アフリカにおける化石発掘プロジェクトにも積極的に参加してきました。こうした古典的研究とともに、現代人の機構適応についての実証研究も行っています。

教員