行動統計科学

行動を数式で表して統計解析する

行動統計科学

【研究課題】
■ 行動科学における統計データ解析法の研究開発
■ 多変量解析法、統計的因果推論、数理心理学についての方法論的研究

心理・行動データを分析するための統計解析法の研究開発を行う分野を、サイコメトリクス(psychometrics)などと呼びます。この分野からは、多変量解析法と総称される統計解析法のいくつかが生まれ育ちました。例えば、因子分析、構造方程式モデリング、多次元尺度構成法、対応分析などが代表的です。こうした解析法の改良や新たな分析手法を開発することが研究テーマとなります。数式に基づくものは「すでに確立されたもの」という印象を与えますが、実はそうではなく、既成の分析手法にも改善の余地は多く、「こんな分析手法があったらいいのに」と感じれられる未開発の方法も数多くある点で、研究テーマは豊富です。また、知覚、記憶、思考、感情といった心のメカニズムを数式で表そうとするいわゆる数理心理学も研究対象です。さらに、観察されたデータから物事の因果関係(原因と結果の関係)を推定する統計的因果推論の研究も行っています。以上の内容の研究には、線形代数や微積分、確率論などの数学が必要となりますが、数学力よりもむしろ「自由なイマジネーション」や「斬新な発想力」が大切です。

教員