Wed, 04/01/2026 - 10:00 お知らせ

渥美公秀教授の共編著書『集落<復興>―中越地震と限界集落の物語』が第4回日本社会関係学会賞特別賞を受賞


このたび、渥美公秀教授が、『集落<復興>―中越地震と限界集落の物語』(共編著書 2024年 大阪大学出版会)により、第4回日本社会関係学会賞特別賞を受賞されました。
以下に渥美先生からのコメントを掲載いたします。

 本書がこのような栄誉ある賞を受賞できましたことは、ご評価いただきました学会の皆様はもとより、この出版を可能にして下さった大阪大学出版会の川上展代様はじめ皆様、各章・コラムにご執筆くださいました皆様、長年にわたる小千谷市塩谷集落でのフィールドワークを支えてくださいました人間科学研究科をはじめとする関係者の皆様、そして何より塩谷集落の皆様のおかげだと喜び感謝申し上げます。
 阪神・淡路大震災の被災地で災害ボランティアに注目したフィールドワークを始めた頃、フィールド研究の先輩から「渥美君、1つのフィールドについて語るには10年はしっかりと向き合わなければならないよ」とアドバイスを頂きました。2004年の新潟県中越地震で被災された塩谷集落との出会いを頂いた際には、10年を目処にまとめようとしました。アメリカに滞在する機会を得て構想を練っておりましたら、今度は東日本大震災が起こり・・・その間、塩谷でもフィールドワークを継続し、学術論文としては内外に散発的に発信しつつも、結局、本として読んで頂ける形にまとめることが叶いました時には、発災から20年もの月日が流れていました。ようやく出版できたと喜んでおりましたところ、さらにこのような賞を授けて頂き、共編著者一同感無量です。
 本には、20年間にわたって取り組んで参りました様々な実践、研究、教育を紹介しております。振り返ってみますと、一貫して流れているのは「何もしない」(と思われる)ということのように思います。災害からの復興というと、実践的には外部者から取り組むべき活動が提案されたりします。復興研究では、被災者の主体形成の促進といったことに注目が集まったりします。被災地での教育となると、どうしても学ぶべき観点などが提示されたりもします。それに対し「何もしない」で、ただ集落に通い続けることはいかにも無力に見えます。しかし、「何もしない」姿勢こそが<復興>につながるのではないかとのメッセージを受け取って頂ければ共編著者の一人としまして何にも勝る喜びです。

渥美教授のプロフィール:
https://rd.iai.osaka-u.ac.jp/ja/dd40a91218186ca7.html