人科で学べば

人間について総合的に学びます

 人間科学部は人間についての理解を深めるための学部です。人間はさまざまな側面を持っています。人間は特定の文化や社会の中で、遊び、学び、悩み、そして成長します。人間の全体像は、これらのさまざまな側面を総合的に理解してはじめてとらえられます。人間科学部では、自然科学的手法、社会科学的手法、人文科学的手法をはじめとする人間を理解するためのありとあらゆる手法を縦横に用いて個々の側面に接近します。さらに、それらの成果を総合することによって、科学的な新しい人間観を社会に示し、人間の現実的な生活をより充実させることをめざしています。

 具体的には4つの学科目から構成されています。人間の行動を心理学・生物学の立場から研究する「行動学」、人間の文化、社会、思想などを社会学・人間学・人類学などの立場から研究する「社会学」、人間の発達、形成のあり方を教育諸科学の立場から研究する「教育学」、多元性を互いに認め合い、対等な関係を築きながら、ともに生きることを実践、研究する「共生学」です。とはいえ、学科目相互の交流を意図した学際的なものの見方を重視してきました。

 

こんな授業があります

 大阪大学の授業は、教養教育系科目と専門教育系科目そして国際性涵養教育科目の三種類に分かれます。

 教養教育系科目は、教養、つまりみなさんの学問的視野を大きく広げてもらうためのものです。学問への扉、基盤教養教育科目、情報教育科目、健康・スポーツ教育科目といったさまざまな科目からなります。このうち、学問への扉は、入学したての1年生向けの、受講生17名以下の少人数ゼミです。大学のすべての部門から選出された教員が担当し、自身の専門研究の奥深さを紹介しつつ、大学での学びで必要となる情報検索やレポートの作成などのアカデミックスキルを教授します。テーマの異なる250もの授業が開講されています。これら教養教育系科目については、とりまとめ部局である大阪大学全学共通教育機構のページに新入生向けの詳しい情報があります。

 国際性涵養教育科目は外国の言語や文化を学びます。第1外国語として英語力を鍛えます。また、第2外国語として、ドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語、朝鮮語及びスペイン語などの選択肢があります。

 専門教育系科目とは、人間科学部の学生にとっては、ずばり人間科学に関する授業です。人間に関わる問題を学習するために、幅広い授業が用意されています。人間に接近するためのさまざまな研究を紹介する講義はもちろん、実験、社会調査、フィールドワークを含めた学生参加型の授業が多くあります。たとえば、動物の行動の観察や異文化を研究するためのフィールドワーク、あるいは、データ処理のスキルを学べる情報処理演習、また、自分の専攻や将来の進路と関連した就業体験をするインターンシップにも参加できます。もちろん、各授業を担当する教員は新しい研究成果を世界に向かって発信し続けている第一線級の研究者たちです。

 大阪大学の学生には、この三種類の中から指定された必修授業を受けたり、各自の関心に合わせて選択できる授業を選んだりしながら、卒業に必要と定められている条件を満たしてもらいます。人間科学部の卒業条件の詳細は、在学生向けページの「学生便覧」に記載されています。

 これらの大学の授業を受ける以外にも、留学という道もあります。人間科学部には海外への留学を希望する学生に対する情報提供などの支援を行う国際交流室が設置されています。

 

学期と授業の期間

 大阪大学では1年を4つの学期に分ける4学期制を採用し、各学期を春学期(4月〜6月)、夏学期(6月〜9月)、秋学期(10月〜12月)、冬学期(12月〜3月)と呼んでいます。実際は、春・夏または秋・冬の15週間にわたって週1回開講される全15回の授業科目が一般的です。1回の授業は90分間です。また、夏学期の授業の多くは8月上旬で終わります。ですので、8月~9月のあいだは夏休みといってもよいでしょう。ただし、夏休み中には集中講義と呼ばれる1週間のうちに15回の授業が実施されるタイプの授業も開講されています。このほか年間のスケジュールの詳細を知るには在学生向けページに掲載されている学年暦などが便利でしょう。

 

自己を広げる場:豊中キャンパス

 大阪大学のキャンパスは豊中市、吹田市と箕面市の三地区に分かれます。 人間科学部の学生は入学すると、はじめの1年半は豊中キャンパスで過ごすことになります。ここでは、教養教育系科目や国際性涵養教育科目を中心に受講するように指定されています。

 また、少しずつですが、専門教育系科目も受けてもらいます。概論とも呼ばれる基礎科目です。これは、吹田の人間科学部から豊中キャンパスに教員が出向き、専門教育のイントロダクションを行うものです。この授業によって、人間科学における専門知識をのぞき見ることができます。人間科学部の学生には、2年生の夏に「行動学科目」「社会学科目」「教育学科目」「共生学科目」のいずれかの学科目に所属することを選択してもらいます。そのための準備をするために行われるのが基礎科目だともいえるでしょう。

 基礎科目についてもう少し詳しく説明しておきます。1年次春・夏学期には、4つの学科目を分野横断的に統合的なテーマを設けて授業する「人間科学概論」、自然科学や人文学の観点から基礎的に人間科学を捉えたときにどのような知識を持つべきかを考える「自然科学と人間科学」と「人文学と人間科学」という基礎科目があります。また、1年次秋・冬学期には、「行動学概論」「社会学概論」「教育学概論」「共生学概論」という基礎科目があり、それぞれの学科目でどのようなテーマが論じられているのかを知ってもらうために講義します。その後、2年次春・夏学期には、「心理学実験」「現代社会の課題」「現代日本の教育問題」「共生の理論と実践」という基礎科目があり、自分のやりたいことを少しずつしぼりながら勉強してもらいます。そして、各学科目の特徴を知るとともに、2年次秋・冬学期から始まる専門での授業についていけるように基礎知識を学びます。

 豊中キャンパスではクラブ活動やサークル活動も盛んで、他学部の学友と交流できる絶好の場所です。この期間は、学問以外の視野を広げる好機となります。最寄りの阪急石橋駅周辺にも放課後の生活を楽しむことができる店が多くあります。周知のとおり、この期間は、人生のうちで最も楽しい時間が保証されている期間の1つでもあり、これについては人間科学部の学生も例外ではありません。これまでとは全く違ったさまざまなことに挑戦し、人間的により大きく成長する期間です。

 

自己を深める場:吹田キャンパス

 「吹田キャンパスに移るのは、ある種のカルチャーショックだった。」という言葉を残した先輩がいました。2年生の10月からは、にぎやかで密集した感のある豊中キャンパスから、静かで広く、学習空間が充分に保証された吹田キャンパスへと、物理的な環境が変化します。さらに、講座や研究分野へと配属が決まり、少人数制の教育がはじまることによって、心理的な環境も変化します。各研究分野で行われる学習や研究を通じ、教員や大学院生とパーソナルな交流がはじまります。

 吹田の人間科学部で受講できる専門教育科目は、行動学、社会学、教育学、共生学の基礎が学べる講義科目。そして、少人数で学術論文を読んだり、実践的な実技を学ぶなどしたりして、講義より踏み込んだ専門内容に触れることのできる演習科目です。さらに各学問分野の研究方法の方法論とスキルを身につける実験実習と呼ばれる授業も必修です。4年生になると、こうした授業を通して得た知識とスキルを活用して、卒業研究に取り組みます。その卒論準備と作成にあたっては指導教官による研究指導や論文執筆上の細かなアドバイスが受けられる体制を整えられています。

 このようにめぐまれた学習環境の中で、自身が人間に対して持っている素朴な疑問や関心は、より学問的な問題へと深められ、卒業論文へと結実することになります。卒業後の進路にも多くの選択肢があります。企業や官公庁に就職し、社会で活躍するか、大学院に進学し、自身の研究テーマを深めるか、それとも既成の枠にとらわれないその他の選択をするか、この問題は日本中の学生が悩む問題でもあります。そして、おそらくどのような選択をしても充分に対応できる人格と実力がその頃には身についているはずです。